平成31年3月海外派遣活動報告 神原裕行助教

平成31年3月海外派遣活動報告 神原裕行助教

活動報告

Scott Makeig, SCCN 所長 Scott Makeig, SCCN 所長

WRHI海外研究機関派遣支援プログラムにより、「ジャグリング運動中の脳活動解析」に関する共同研究を推進するため University of California, San Diego の Swartz Center for Computational Neuroscience (SCCN)研究所を2019年2月11日から3月14日まで約一ヶ月間ほど訪問した。

 

SCCN 研究所は脳波信号解析のためのオープンソースソフトウェアである EEGLAB ツールボックスを20年間に渡り開発してきた研究所であり、脳波解析技術開発の世界的拠点である。また最近は、全身運動中の脳活動及び身体運動計測技術や信号解析手法の開発を精力的に行なっており、MoBI(Mobile Brain/Body Imaging)と呼ばれる新しい学問領域の発展に多大なる貢献をしている。我々東工大の研究グループは、2014年から同研究所との国際共同研究を続けており、身体運動時の脳内情報処理メカニズムの解明を目指してきた。 

 

今回の訪問では、三つのボールの使ったジャグリング運動を行なっている際の脳波信号の解析作業および研究打ち合わせを行った。左右の手を使ったボールのジャグリング運動は人間にしかできない複雑な運動であり、この運動を行なっている際中の脳活動を可視化することにより、人間特有の高度な運動を可能とする脳内情報処理メカニズムの解明に役立つと考えられる。今回の訪問中に行なった解析によって、ボールを投げる捕るという動作を周期的に行なっている際に動作のタイミングに合わせて変化する脳波の時間・周波数成分を抽出することに成功した。また、投げ上げたボールが通常とは異なる位置に飛んで行ってしまった際に、運動の計画を行なっていると考えられている運動前野から他の部位への情報の流れが増加する傾向があることが因果性解析から明らかになった。

 

ジャグリングのような全身を使った運動中にダイナミックに変化する脳活動を可視化することに成功した研究は稀であり、この成果をまとめた論文を執筆を行なう予定となっている。また、SCCN研究所との共同研究をさらに発展させるために、日米国際共同研究プログラムに現在応募中であり、同研究所とのコラボレーションを今後とも行なっていく計画となっている。

神原裕行 バイオインタフェース研究ユニット 助教