組織の細胞集団に潜む幹細胞のエピゲノム解析手法を開発 ー がん組織の精密プロファイリングに成功

組織の細胞集団に潜む幹細胞のエピゲノム解析手法を開発 ー がん組織の精密プロファイリングに成功

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筋肉や肝臓といった組織は、多様な種類の細胞から構成され、異なる役割を持つ細胞同士が協調的に働くことで、その機能を実現します。組織を構成する細胞の種類は、遺伝子の組み合わせで決定され、エピゲノムがその組み合わせ方を司ると考えられています。これまでの組織のエピゲノム解析は、幹細胞など組織中の少数派細胞の情報が、多数派に埋もれてしまうことが課題となっていました。

東京工業大学 科学技術創成研究院 細胞制御工学研究センターの木村宏教授らは、一辺3 mm厚さ10 μm程度の小さな組織切片に含まれる少数の細胞集団から、高感度かつ高精度なエピゲノム情報を抽出する技術を発表しました。この技術は、これまで同グループが発表してきた「クロマチン挿入標識(Chromatin Integration Labeling: ChIL)法(ChIL-seq)」を基礎として、今回さらに組織をターゲットとした解析法を開発しました。

本研究グループは、高感度なChIL-seqの技術と、遺伝子発現を司る分子の移動度を評価する統計モデルを組み合わせ、埋もれた幹細胞の活性化情報を検出する新たな解析技術を開発しました。さらに本技術は、様々なステージの乳がん組織のプロファイリングに有用であることも示しました。この解析技術を使うことで、組織再生や再生医療の応用に必要な幹細胞や、組成が多様ながん組織などの詳細なメカニズムの解明が期待されます。

本研究成果は、2021年11月3日(水)午前12時(中央ヨーロッパ時間)に欧州科学雑誌「Molecular Systems Biology」で公開されました。

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