情報・人工知能研究

社会経済現象の統計物理モデリング国際研究プロジェクト

詳細で膨大なデータが入手できるような社会経済現象に焦点を当て、ビッグデータ解析を駆使して経験則を確立し、統計物理学の視点から数理モデルを構築し、物質の現象と同じように社会経済現象を定量的に記述し、予測や制御を可能とすることを目指しています。主な研究対象は、金融市場、企業の取引ネットワーク、Web上の口コミ、GPSに基づく人の流動です。

1.金融市場(高安(美)、Sornette、Stanley)

外国為替市場の詳細なデータをもとに、揺動散逸関係などの物理学の概念を駆使した独自のデータ解析を行い、人間とAIの両方を含む個々のディーラの戦略を想定した市場の数理モデルを構築しています。

2.企業の取引ネットワーク(高安(美)、Jensen、Havlin、山中、尾崎)

国内およそ100万社の取引関係のネットワーク構造を分析し、万有引力の方程式を発展させた企業間のお金の流れを推定する重力モデルを構築し、また、企業の成長のダイナミクスを記述する数理モデルの開発をしています。重力モデルは内閣府が提供している地域経済分析プラットフォームRESASの中の地域間のお金の流れを推定するエンジンになっています。

3.Web上の口コミ(高安(美)、Havlin、山田)

ブログやTwitterなどのソーシャルメディアの中の自由な書き込み記事を分析し、うわさの伝播のメカニズムの解明、社会の雰囲気の定量化、ブームの発生と衰退、など様々なテーマに関して、数理モデルを構築しています。

4.GPSに基づく人の流動(高安(美)、Havlin、Stanley、高安(秀))

特定のアプリの利用者から得られるスマホのGPSデータを分析し、都市圏レベルでの人の流動パターンの特性を解明しています。大域的な平均流を発生させるポテンシャル力を想定した独自の数理モデルを開発しています。

社会経済のビッグデータ概要図 社会経済のビッグデータ概要図
企業間のお金の流れの例 企業間のお金の流れの例
為替市場の売買注文板情報の解析 為替市場の売買注文板情報の解析