上野 隆史

細胞生物学研究

Takafumi Ueno上野 隆史

教授

略歴

1998年に大阪大学で博士号を取得後、分子科学研究所、名古屋大学、京都大学准教授を経て、2012年3月から東京工業大学教授。 現在の研究:生物無機化学、大型タンパク質集合体およびバイオナノ材料の設計

WRHIへの期待

東工大がハブとなる新しい研究分野の確立と国際的かつ学際的ネットワーク構築

研究プロジェクト

  • 持続可能な機能性生体材料国際研究プロジェクト

    世界各国が直面している環境問題や高齢化問題、さらには宇宙産業等に向けた様々な分野に適応できる持続可能な新規機能材料の開発が求められています。本プロジェクトでは自然界の様々な場所で機能材料として利用されているタンパク質に着目し、巨大タンパク質のエンジニアリングと応用(Nam, Lim)、巨大タンパク質人工合成(上野、Pentelute)、精密構造解析(上野、Mazumdar)と、数理生物学と分子動力学法による機能解析(Lu、Xia)により、材料として機能するタンパク質の基礎理解から応用利用を目指す学際的グループを組織し、バイオテクノロジーからエネルギーまで革新的な機能性生体材料の開発を達成します。

    1.タンパク質エンジニアリングと応用
    様々なタンパク質のエンジニアリングが行われていますが、分子量数十万から数百万を越えるような巨大なタンパク質のエンジニアリングは未だに困難です。我々は巨大なカゴ状タンパク質に注目し、それらの分子設計によって物質輸送や、機能分子の貯蔵、ナノリアクターとしての利用を目指します。
    2.タンパク質人工合成
    タンパク質の機能を劇的に変換するには、非天然部位の導入が威力を発揮しますが、修飾部位の選択性や修飾効率、安定性の保持に未だに問題があります。我々は有機合成的技術を駆使した新しい機能化技術を確立します。
    3.精密構造解析
    高分解能X線結晶構造解析やクライオ電子顕微鏡による単分子レベルでの観察が実現していますが、タンパク質の集合プロセスやそのダイナミクスを直接捉えることは未だに困難です。本プロジェクトでは高速原子間力顕微鏡やネイティブ質量分析を含む様々な物理化学的測定により、タンパク質の動的機能の全容理解を目指します。
    4.数理生物学と分子動力学法による機能解析
    小さなタンパク質では実験的に追跡できるタイムスケールの計算が実現しつつありますが、膨大な計算量を必要とする巨大タンパク質の場合、未だに理論的な機能の理解は困難です。本研究では、様々な粗視化モデルを用いた巨大タンパク質のシミュレーション手法の開発から、本学スパーコンピューターTUBAME3.0を用いた分子動力学計算による原子レベルでのタンパク質機能の理解と分子設計を目指します。

    参加者:上野隆史、Shyamal Mazumdal, Bradley Pentelute, Kelin Xia, Sierin Lim, Diannan Lu, Yoon Sung Nam

    研究費:新学術領域研究「発動分子科学」、ASPIRE League Grant、JSPS-NTU/NUS二国間交流事業共同研究

    タンパク質工学バイオナノマテリアル超分子生体材料生物無機化学