吉敷祥一准教授が海外派遣から帰国しました。

≪平成29年度WRHI事業による海外研究機関への派遣報告≫

清華大学の研究チームとのミニワークショップ

行程力学研究所チームとのワークショップ

この国際共同実験プロジェクトでは、現行の耐震基準や構造技術者によらずに建てられている、いわゆるノンエンジニアド住宅の耐震化に取り組んでいる。中国では、2008年5月12日に発生した四川大地震(汶川地震)により、多くの木造住宅が損傷し、死者7万人弱、負傷者37万人の大きな被害を受けた。
中国地震局は住宅の被害を問題視しており、これらの対策が急務であると認識している。最終的には、我が国の耐震技術・評価技術を活用し、ノンエンジニアド住宅における各部材の力学挙動を把握することにより、その耐震性能を評価すると共に、効果的な耐震補強法を提案することを目的としている。本年度に入ってからは、4月5日(水)に東工大にて、4月25日(火)~27日(木)に大連理工大学にて、また5月22日(月)~25日(木)にブカレスト工科大学にて、それぞれ3~4者が集まって研究打ち合わせを実施した。平成29年度WRHI 「国際研究ハブ」構築のための海外研究機関への派遣支援により、2017年6月26日(月)から7月1日(土)の6日間、中国地震局工程力学研究所(Institute of Engineering Mechanics)を訪問した。本派遣支援に先立ち、工程力学研究所の曲哲(Zhe QU)教授、大連理工大学の崔 瑶(Yao CUI)准教授、およびルーマニア ブカレスト工科大学のAndreea Dutu講師と共に国際共同実験研究プロジェクトを立ち上げた。

本派遣期間においても工程力学研究所に上記の4者が集まり、パイロット実験として位置づけている工程力学研究所での大型構造実験の準備に立ち会うととともに、研究計画や資金獲得について議論した。また、派遣期間中には27日(火)に工程力学研究所内の研究者とのワークショップ、28日(水)に清華大学の紀 暁東(Xiaodong JI)准教授を中心とした研究チームとのワークショップをそれぞれ開催し、今後の国際共同研究の展望および研究資金獲得に関して議論した。現在、Skype等々により時間・場所にとらわれずに議論できる環境にあるが、やはり実際に対面での議論は相手の意向を汲むには適しており、詳細を詰める必要なる議論では重要であることを再認識した。また、実験研究の現場を実際に訪れて実験作業に参加することは、現場の作業員も含めて信頼関係を築くことができ、今後の研究展開において非常に有意義なものであった。

未来産業技術研究所 准教授 博士(工学) 吉敷祥一